2018/3/5に「平成30年度診療報酬改定説明会」が開催され、正式に保険の点数が発表されましたのでまとめました。
重要: SRSは2018/04/1の保険点数の改定で保険適応になりましたが、保険外のものと保険適応のものの混合診療は禁止されているため、保険適応外のホルモン注射を受けている人はSRSが保険外になります。そのため2018年現在では性器に対するSRSは保険適応外となります。参考: GID学会:「性同一性障害診療における手術療法への保険適用」について
上記のことについて、わかりやすくまとめた記事を書きました。この記事を読む前にぜひ下記の記事を読んでください。
MTFに対する手術
Kコード | 術式名 | 備考 | 点数 |
---|---|---|---|
K829 | 精巣摘出術 | 2,770 | |
K825 | 陰茎全摘術 | 16,630 | |
K818 | 尿道形成手術 | 前部尿道 | 17,030 |
K851 | 会陰形成手術 | 筋層に及ばないもの | 2,330 |
筋層に及ぶもの | 6,910 | ||
K859 | 造膣術 | 遊離植皮によるもの | 18,810 |
腸管形成によるもの | 47,040 | ||
筋皮弁移植によるもの | 55,810 |
合計、一番価格の高い術式
- 精巣摘出術
- 陰茎全摘術
- 尿道形成手術
- 会陰形成手術 - 筋層に及ぶもの
- 造膣術 - 筋皮弁移植によるもの
で99,150点です。1点は10円なのでこの術式だけで、10割負担で100万円ぐらい。3割なら30万円ぐらいです。
これに他の費用もかかりますので、合計、10割負担で160万円、3割負担で50万円と山梨医学部附属病院でSRSを予約した際に説明されました。
費用の詳細については保険適応前の情報ですが参考までに、こちらを御覧ください。
FTMに対する手術
Kコード | 術式名 | 備考 | 点数 |
---|---|---|---|
K865 | 子宮全摘出術 | 腹腔鏡下手術を含む | 28,210 |
K888 | 子宮附属器腫瘍摘出術 | 開腹によるもの | 17,080 |
腹腔鏡によるもの | 25,940 | ||
K819 | 尿道下裂形成手術 | 33,790 | |
K819-2 | 陰茎形成術 | 52,710 | |
K475 | 乳房切除術 | 6,040 |
合計、一番価格の高い術式フルセットやったとして、
- 子宮全摘出術
- 子宮附属器腫瘍摘出術 - 腹腔鏡によるもの
- 尿道下裂形成手術
- 陰茎形成術
- 乳房切除術
で146,690点です。1点10円なのでこの術式だけで、10割負担で150万ぐらい。3割なら45万円ぐらいです。
MTFの場合と同様にこれに合わせて別に費用がかかります。FTMの場合は詳しくないので医療機関などに問い合わせてください。

また、FTMの人がホルモン治療をしていない場合にできる、保険適応での胸オペ(乳房切除術)の費用が、以下の通りだそうです。
保険適応されたことによるメリット
メリットとしては
- 限度額適用認定証が使える
- 自己負担が減る
- SRSの費用が全国統一される
このようなものがあります。ただし記事執筆現在では、
ホルモン療法は保険適用外のまま。保険診療と保険外診療を併せて行う「混合診療」では、すべて保険が使えなくなる。厚労省は、ホルモン療法を受けている人が性別適合手術を受けるケースが混合診療に当たるかどうか検討していた。
性別適合手術 ホルモン療法併用者「保険外」 厚労省方針(毎日新聞)
ということで、ホルモン治療をしている人は保険適応外なのでメリットとしては「SRSの費用が全国統一される」だと思います。
情報ソース
平成30年度診療報酬改定についての「第3関係法令等 →【省令、告示】(それらに関連する通知、事務連絡を含む。)→ (2) 1 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)→<第2章>手術」にあるPDF。
PDFへの直リン: http://bit.ly/2GNOVNp