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埋没MTF当事者が綴る~性転換のヒント

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二次性徴や思春期が来るのを保留し、将来性転換するのに有利になる方法

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この記事は二次性徴抑制ホルモン(英名: Puberty Blockers)について、日本語の情報がほとんどないためカナダのPuberty Blockersを分かる範囲で赤林檎が日本語訳し、日本の状況に合わせて、および知っている知識を加えて訂正・加筆したものです。そのまま翻訳したものではありません。

また、二次性徴抑制ホルモンの和名はガイドラインから引用しました。

知り得る最善の情報に基づいて書いていますが、情報は、常に変動しています。この記事に含まれる情報および参考資料は、読者の参考のためだけにあり、医療機関との協議や相談に使用するためのものです。

現在の医療情報とアドバイスについては、ジェンダークリニックの主治医に相談してください。

ざっくり言うと

  • 二次性徴を抑制し自認が固まるまでの時間を稼ぐことができる薬がある
  • 小児期の性別違和が成人期まで持続した確率は5人に1人以下
  • 焦らずゆっくりと悩んでほしい

二次性徴抑制ホルモンとは

二次性徴抑制ホルモンはまだ思春期が来ていない若いトランスジェンダーに使用できるホルモン療法で、思春期が来るのを遅らせることができます。二次性徴抑制ホルモンは界隈ではブロッカーと呼ばれることもあります。薬品名としては、Gn-RHアゴニストと呼ばれます。

思春期の体に起こる体の変化は、性自認に合っていないと苦痛を伴うことがあります。二次性徴抑制ホルモンはこの苦痛を和らげるのに役立ちます。身体に不可逆的な変化が起き元に戻ることができないようになる前に思春期を遅らせることによって、性自認を模索する時間を長くすることができます。

何歳から使えるのか

ガイドラインによると、通常の性同一性障害の診断を行い診断された場合、15歳から二次性徴抑制ホルモン治療を開始することができるようです。ただし18歳を超えると二次性徴期も終わってしまいますので、治療をしても意味がありません。

二次性徴抑制治療は、思春期後期までに終了することが望ましいため、その導入に伴い 狭義のホルモン療法開始可能年齢を条件付で 15 歳に引き下げる。
性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン(第 4 版)

お金はどれくらいかかるのか

コスト

二次性徴抑制ホルモンは月1回皮下注射します。しかしこれは1回4万円するそうです。これをおおよそ2年間続けるようです。2年間打ち続けた場合、合計96万円の計算になります。
参考第二次性徴抑制療法?を受けるための費用やその他のこと!

どんな効果があるのか

出生時に男性に割り当てられた場合二次性徴抑制ホルモンはこれらの成長を停止もしくは制限します。

  • 顔と体の髪の成長
  • 声変わり
  • 肩の広がり
  • 喉仏の成長
  • 精巣と陰茎の成長

出生時に女性に割り当てられた場合二次性徴抑制ホルモンはこれらの成長を停止または制限します。

  • 乳房の発達
  • 股関節の広がり
  • 毎月の生理

どちらの場合も二次性徴抑制ホルモンはこれらを一時的に停止または制限します

  • 性衝動
  • 反抗期
  • 妊孕性

二次性徴抑制ホルモンの効果は完全に可逆的です。もし二次性徴抑制ホルモンの中断を決めた場合、思春期を迎えることができます。

一般的には二次性徴抑制ホルモンを使った場合、二次性徴抑制ホルモンを摂取することを終えることを決めた時点で次にトランスジェンダーに多く使われている、自認に合う性ホルモンの注射をします。FTMなら男性ホルモンを、MTFなら女性ホルモンを注射します。

このようにすることによって出生時に割り当てられた性別の面影をほぼ感じることのないほど完璧にトランスすることができます。

なぜ最初に性ホルモンを使わないのか

前述の通り、二次性徴抑制ホルモンは完全に可逆性のある薬です。中止すれば出生時に割り当てられた性別の二次性徴を再開することができます。すなわち感じている性別の違和感が性同一性障害によるものでなかった場合、やり直すことができるのです。

性ホルモンを使ったトランスは、治療を中止しても元に戻ることができません。二次性徴抑制ホルモンを使える人はこれからの人生、まだまだ長いはずです。博打をするにはリスクが高すぎます。そのため、可逆性のある治療法で様子を見るのです。

さらに以下の論文(一部抜粋)によれば、小児期の性別違和が成人期まで持続した割合は6~23%に過ぎないようです。すなわち、おおよそ5人に1人しか性違和が成人期まで持続しなかったことになります。この論文からも、リスクが高いということがよくわかります。
Standards of Care for the Health of Transsexual, Transgender, and GenderNonconforming People P11
[和題:] トランスセクシャル、トランスジェンダー、ジェンダーに非同調な人々のためのケア基準
Standards of Care for the Health of Transsexual, Transgender, and GenderNonconforming People P11

また、以下の記事はガイドラインについてというタイトルで書いてありますが、ここで述べていることはこの記事とほぼ同じことになります。

ガイドラインをすっ飛ばしてほしくない理由

上記の記事で書いてあること・この章で言いたいことをまとめると、つまりこういうことです。

一生使い続ける唯一の体だからしっかり悩んでほしい

使用した場合のリスク

二次性徴抑制ホルモンは全体的に非常に安全であると考えられています。

これまでに行われた研究では、二次性徴抑制ホルモンの骨と身長の発達に対する副作用は最小限であることが示されています。しかし、二次性徴抑制ホルモンを服用した人の多くのデータが集まるまで長期的な副作用は分かりません。

もし陰茎があり、将来成人して性別適合手術(造膣あり)を受けたいと思うかもしれないと思う場合は、知っておくべきリスクがあります。

思春期の早い時期に二次性徴抑制療法を始めると、カナダで最も一般的に使用されている造膣手術を受けることができなくなる可能性があります(訳注:おそらく反転法)。しかしS字結腸法を使うことも可能です。詳細については、主治医または医療機関に確認してください。術式の動画についてはこちらの動画にまとめてあります。

MTFの性別適合手術(SRS)についての資料集

潜在的なリスク

医療従事者が二次性徴抑制ホルモンの提供を拒否した場合、あるいは金銭的な理由で摂取できなくなった場合、摂取前に比べてさらに性違和が強くなる可能性があり、不安と抑うつにつながる可能性があります。
二次性徴抑制ホルモンやホルモン療法を中止することは、精神的健康問題のリスクが高まる可能性があります。

ホルモン治療について詳しく学びたい

ホルモン治療については、こちらのホルモンテキストというサイトが非常に参考になります。

日本での事例

以上、海外の記事から情報をまとめましたが、日本でもたしかに実施されています。参考までに事例を紹介します。

治療面では、小学6年生で第二次性徴が始まり、思春期の体の変化を一時的に止める「抗ホルモン剤」を全国で初投与された。身体面の男性化が抑制され、精神的苦痛が軽減。主治医の康純(こうじゅん)・大阪医科大准教授は「副作用はまったくなく、思春期の患者特有のホルモン療法への焦りがなかった」と振り返る。日本精神神経学会は、優さんを契機に、心の性に合わせて体を変える「ホルモン療法」の下限年齢を、条件付きながら18歳から15歳に引き下げた。優さんは高校入学直前に女性ホルモンを始め、すでに体は女性化している。
「心の性」で小中高通学 GIDの18歳、社会人に

以上のニュースとは関連がありませんが、赤林檎も実際にに二次性徴抑制ホルモンを使用したMTFと知り合い、会ったことがあります。男性の輪郭はなかったです。

もし幼い頃から自認で悩んでいるようだったら、たった100万円でこれからの人生、かなり生きやすくなるのでぜひ、おすすめです。今の年齢から、70~80歳(=年)ぐらい生きる事を考えたら、100万円は安いと思います。お金は稼げても、時間は皆平等。同じだけしか与えられず決して遡れない。

まずは、ジェンダークリニックにかかるところから。

全国のジェンダークリニックの一覧

Twitterからの声

Twitterで反響がありましたので、掲載しておきます。

関連文献

Endocrine Treatment of Gender-Dysphoric/Gender-Incongruent Persons: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline
[和訳]自認に関する不快感/自認の不一致のための内分泌治療に関する、内分泌学会のガイドライン

  • この記事を書いた人

赤林檎

20代MTFトランスジェンダーです。将来的にタイで性別適合手術を受けたいと思っています。自分の性別移行をした経験を生かして性別移行をするためのノウハウを書いています

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