山梨大学医学部附属病院 性転換手術(SRS・性別適合手術)ガイドブックシリーズ一覧
目次
入院初日(オペ前日)
入院初日はすることが多く、かなり慌ただしいと思います。ひとつひとつ、しっかりこなしていきましょう。
いざ、受付
入院当日の朝は早いです。受付を9時30分~10時00分の間に済ませなければなりません。遠方の人は、前日にホテル(甲府駅前に東横インがあります)を使う必要があるかもしれません。
入院受付を済ませたら、病院の奥へ進み、エレベーターに乗り、6階西病棟(形成外科)へ向かいます。ナースステーションに着くと、本人確認用のリストバンドを付けられ、病室へ案内されます。
病室について一段落すると、看護師さんから手術のオリエンテーションがあります。術前~術後の流れについて、紙を見ながら説明されますので、よく聞いておきましょう。
付き添い・面会について
山梨大学医学部附属病院では、付き添いは原則不可となっています。面会については、以下の時間帯で可能となっています。駐車場が、8時間まで100円で利用できます。
曜日 | 時間 |
---|---|
月~金 | 14時00分~19時00分 |
土日祝 | 13時00分~19時00分 |
テレビカードの使い方
山梨大学医学部附属病院では、テレビの視聴以外にも、以下の場面でテレビカードが必要になります。1枚2,000円です。デイルームの自動販売機であらかじめ購入しておきましょう。
- ミニ冷蔵庫の利用(冷凍機能はありません)
- 洗濯機、乾燥機の利用(コインランドリーはカード専用です)
- 売店での支払い(特に、絶対安静中に看護師さんへおつかいを頼む場合)
残額は、1階の精算機で、10円単位の払い戻しを受けることができます。1円単位の端数は切り捨てになってしまうので注意してください。
物資の調達
オリエンテーションで指示があったものを、1階の売店で購入します。
- ディスポパンツ(T字帯) 360円 x 3枚 = 1,080円
- 尿取りパッド(5枚入り) 294円
必要に応じて、購入しておくとよいものを紹介します。
- ペットボトルの水(下剤で死ぬほど喉が渇きます、術後にもあると便利です)
- マイ箸(病食には箸が付属しないので、忘れてしまった場合はここで買いましょう)
- マイカップ(病食のお茶を入れてもらいます、忘れてしまった場合はここでry)
- ボディーソープ、シャンプー、リンス(シャワールームには備え付けがありません、忘れてry)
買い物が終わったら、病室に戻って待機します。お昼に、病食として出てくるアルジネートウォーター(スポーツドリンク)を飲みます。
麻酔科の診察~輸血同意書
午後になると、麻酔科の診察があります。ここでは、全身麻酔についての説明をした後、近親者に麻酔で具合が悪くなった人はいないか、薬剤にアレルギーはないか、などを確認します。風邪を引いていると手術が延期になる場合がありますので、体調管理は万全の状態で臨みましょう。最後に、書類にサインをしたら、麻酔科の診察は終了です。
病室に戻ってしばらくすると、輸血同意書にサインを求められます。ものものしい副作用が列挙されていますが、そもそも反転法で輸血が必要になることはめったにありません。とりあえずサインしてしまいましょう。
薬剤師の説明
薬剤師から、入院中に使われるお薬の説明があります。術後に使用する飲み薬は、以下の2種類です。タイでの手術に比べて、飲み薬が非常に少なくなっています。
- セレコックス(痛み止め)
- セフジトレンピボキシル(抗生物質)
ゲンタシン(抗生物質クリーム)
山梨大学医学部付属病院では、ボタン式の痛み止め「ペインフリー」が追加料金不要で標準装備となっています。
ペインフリーの中身は、モルヒネの100~200倍強力な鎮痛剤となっています。
- フェンタニル(医療用麻薬・鎮痛剤)
その他、点滴などのお薬についても説明があります。
シャワー
所定の時間になったら、シャワールームで身体を洗います。術後、チューブが抜けきるまでの約1週間はシャワーを浴びることができません。新しい膣の材料になる男性器も含め、ここで念入りに洗っておきましょう。
下剤投入
夕食として、再びアルジネートウォーターを飲みます。就寝前に、下剤(プルゼニド錠)が投与されます。夜中に喉が渇いて目が覚めるかもしれないので、あらかじめ多めの水を飲んでおきましょう。食事は24時まで、飲水(水、お茶、スポーツドリンク)は翌朝6時まで可能です。
消灯
山梨大学医学部附属病院は、21時消灯です。オペに向けて、しっかり睡眠を取りましょう。眠れない時は、遠慮せずナースコールを使いましょう。睡眠薬を処方して貰える場合があります。
手術当日の朝
6時起床です。これ以降は、水を飲むことも禁止です。体温、血圧の計測後、60mlの浣腸をされます。出すべきものを、きちんと出しておきましょう。
8時を過ぎたころ、手術衣に着替えて、歩いて手術室へ向かいます。手術室は2016年に完成したばかりの新病棟2階にあります。途中から病院内の風景がガラッと変わって驚くと思います。
ものものしい自動ドアをくぐると、手術室の入口です。ここで、リストバンド、氏名、生年月日を確認されます。確認したら、いよいよ入室です。
手術台に横たわると、酸素マスクが着けられ、点滴の針が通されます。背中には、褥瘡防止テープが貼られます。心電図、脳波計と、身体に器具が取り付けられるにつれて、天井から吊るされた液晶画面に、バイタルサインが映しだされていきます。どこかサイバーな雰囲気があり、まるでエヴァに搭乗したかのような気分になる人もいるかもしれません。この時点では、まだ麻酔はかかっていません。
一通り器具を取り付け終わると、いよいよ、麻酔がかかります。担当するのは、百戦錬磨のおじいちゃん麻酔科医です。これまで、1万人以上の麻酔を担当してきた、まさに百戦錬磨のプロフェッショナル。安心して身体を預けましょう。麻酔科医の「レミフェンタニル(鎮痛剤)入ります!」コールで、徐々に身体がふわふわしてきます。そのまま静脈麻酔へ移行し、落ちる瞬間を認識できないまま、眠りへと落ちていきます。