タイで性転換手術を受けた後の入院中の行程についてのレポ~入院生活編(後編) / day6-8〜

執筆者: アバター伊豆産蜜柑

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こんにちは、MTFトランスセクシャルの『伊豆産蜜柑』です。

先日、タイのガモンホスピタルで性転換手術(SRS・性別適合手術)を受けてきました。アテンドなしで術式は陰嚢反転法です。今回は、『入院生活編(後編)』と題して入院4日目~6日目(退院日)までの実体験レポをお届けします。

ガモンホスピタル 性別適合手術ガイドブックシリーズ一覧

入院4日目

6時ごろ、血圧測定にやってきた看護師さんの挨拶で目が覚めました。不思議なことに、SRSから日数が経過していくにつれ、体調が優れずぐったりしている時間のほうが増えてきている印象でした。SRS直後に『あっ割と大丈夫だな』と高を括っていると、日が経ってきたころに意外と精神的にやられるので、気をつけておいたほうがよいかも知れません。

SRS前に配られた日程表を確認すると、この日は入院中唯一の空欄になっていて特に状況の変化はなさそうです。

お尻の下に敷かれたシートが汗でびしょびしょになっているのがとても気持ち悪かったのですが、前日受け取った消耗品の中にベビーパウダーがあったためシートの上に振ってみました。サラサラになって不快感も消滅。もっと早く気づけばよかった。満足に寝返りも打てていなかったため、ずっとシートが触れてたお尻の部分は少し汗疹が出来てしまいました。

この日の朝ごはんはパンとサラダとコーンスープ。

パンとサラダを半分くらい食べたところでどうにも気持ち悪くなりそれ以上食べることが出来ません。入院初日に比べると明らかに食べられる量も減ってきています。

一方、患部の痛みは急速に引いてきているので、少し歩いてみたいなと思い、はるみさんに『少しだけ歩くの手伝ってもらってもいいですか?』とお願い。『じゃあ消毒とお昼ご飯終わったら少しだけ歩いてみようか!』とOKが出て、少し楽しみになりました。

お昼ご飯は毎度おなじみ『やよい軒』の肉うどん。大好きなメニューだからか、朝よりは残さずに食べることができました…が、それでも半分と少しかな?といったところでした。

お昼が終わり、少し大きいほうがしたくなってきたのでナースコール。『ウォーキング、トイレット、オーケー?』と聞いてみましたが、『ノーノーノーノー!』と言われ、この日も寝たきりの排泄に。ちょっとがっかり。その後おやつタイム頃までぬいぐるみを抱いたまま寝落ち。そのせいか妙にメルヘンチックな夢を見ました。

特に変化のない一日、ゲームでもしてみようかと思い持ってきた携帯ゲーム機を手に取りますが、体力を消耗しきった体では想像以上にずしーんと重く、起動することはありませんでした。この日は病室の明かりが何故か点けられることなく夜までずっと放置状態。暗闇の中でTwitterを眺めていたりしましたが、ついに消灯時間まで誰一人やってくることはなくそのまま21時半に就寝しました。

入院5日目

前日の消灯時刻にそのまま寝たためか、目が覚めたのは明け方の4時過ぎでした。まだ外も暗く、カーテンの隙間から見える漆黒の空をボーっと眺めていました。周囲がうっすらと明るくなってくる頃、日課の血圧測定のため看護師さんがやってきます。

この日は、SRSで作られた膣が塞がらないよう入れられているパッキングというものが取れる日です。この時は『ダイレーターのようなものでも入ってるのかな』とうっすらイメージしていましたが、後にその認識がまったく違うものだと知ることになります…

この日の朝ごはんは…前日までのやよい軒ラッシュがほとんど食べられなかったせいか、お雑炊に逆戻り。

食事をしながらふと窓に目をやると…上から何かが降りてくる。窓拭きの業者さんがフルハーネス姿で病室の窓を拭いていきます。ちょっ、ここ6階…高所恐怖症の私、何かを想像してしまい少し震えてきます。そして結局この雑炊も完食できずでした。

ご飯が終わると、患部の消毒をして…いよいよお待ちかね(?)のパッキング抜去です。看護師さん、はるみさんと共に、拷問具と見まごうような物々しい器具が大量に室内に運び込まれてきます。そのまま足を固定され、ガモン先生による抜去作業開始!

膣内から血まみれのガーゼが大量に生産されていきます。体内を吸引されるような感覚の痛みが断続的にやってきます。1メートル、2メートル、えっまだあるの?待ってどんだけ入っとんねーん!って思わず突っ込みたくなるくらい出てくる出てくる。一生に一度の、まるで大マジック。キャトルミューティレーションされてるようだ…

抜去が終わり、ガモン先生が私の視界の端で何かもぞもぞやってて、心なしか下腹部に妙な感覚が…えっ今ダイレーター入ってたの?わからなかった…

続いてはるみさんチェック。『傷の治り、早いほうだよー。』だそうです。よかった。

そしてついにシャワー解禁です!5日ぶりに自らの足で立ち、よたよたとシャワー室へ向かうのですが、目眩がひどく思うように歩けません。はるみさんに支えられながらなんとかシャワー室へ。パイプ椅子と浮き輪のような円座が用意され、座ってシャワーを浴びます。

ガモンのシャワー室はとても床が滑りやすく、移動時はただひたすらに転ばないことだけに全神経を注いでいました。転んだ瞬間患部が大変なことになりそうで怖かったです。

シャワーから上がると、噂に聞いていた円座がソファーの上にスタンバイ。これはプレゼントされるもののようで、日本まで持って帰れます。円座に座って髪の毛を乾かし、荷物からキーボードを取り出しベッドの上へ。この体験談シリーズのいちばん初めの記事を書き始めていました。

自分の足で歩くことが出来たおかげかすごく元気が出てきて、前日食べられなかったぶんと合わせておやつ2食分を完食。

夜になってから、はるみさんに付き添ってもらいながら病室付近の廊下で少し歩行練習をしました。意外と大丈夫。患部が痛むのでゆっくりだけどしっかり歩けてる。

明日はいよいよ退院の日です。尿道の腫れに問題がなければ、尿道カテーテルが除去されるとのこと。最初の3日間ぐらいは本当に生きて帰れるかというような気分だったのに、ここまで来てしまうとずいぶんあっという間だったような気もします。

入院6日目(退院日)

退院の日がやってきました。この日は膀胱に尿を溜める訓練をするため、目覚めた瞬間から凄まじい量のガモンウォーターに水責めされます。飲んでも飲んでも際限なくやってくる紫のロゴ入り飲料水。3日目の夜に消耗品セットと一緒にいただいた粉末飲料がとても心強かったです。

3~4本くらい飲み干したところでやってくる最初の尿意。どれくらい溜められるのか興味が湧いた私、ギリギリ限界で体が痙攣するくらいまで我慢してしまい意識が朦朧としていました…だいたい1回で300~400mlくらい溜まります。2000mlの尿バッグがほぼいっぱいになったところでカテーテル除去のようです。だいたい4サイクルほど。

尿意がやってくるたびナースコールを押して、輪ゴムで縛ってあるカテーテルをほどいて排尿を行います。2回目、3回目、看護師さんの『ラストワン!』の掛け声。

そのラストワンでやってきた別の看護師さんが盛大に輪ゴムを引きちぎり、そのまま去っていきました…あれ、これどうすればいいの…?

しばらくするとはるみさんがやってきて、『あれ、ゴムどうしたの?』と聞くので事情を説明。尿意が来ていないとカテーテルが抜けないので、結局ロスタイムの5回目を終えて無事カテーテルは除去されました。引き抜かれる瞬間は血液ドレーン抜去より少し控えめかつ割とえげつない痛みが伴いました。

その後、SRS後はじめての自力で排尿。自分の体からまるで水道の蛇口を捻ったような流水音がします。私の体は機械仕掛けになったのか…w

この時かなり力を入れないと排尿できなかったためかなり苦しく、少し恐怖を覚えました。加えて尿道の腫れのせいか思った場所に排尿できず、下腹部がびしょびしょに濡れます。どこにどう力を入れたらよいのかも解らず、戸惑いました。

尿トレのロスタイム1回分もあってか、17時前になってようやく退院。7階のアパートメントに移動します。何一つ管が繋がっていない自由の体で、ダブルベッドに大の字になれる喜びを噛み締めました。

退院後、はるみさんが晩ご飯を買ってきてくれました。なんとか…ヌードル?ちょっと聞き取れなかった…

やや薄味に感じましたが、美味しい。円座に座って食べるのですが、座り方にまだ慣れていないせいか少し患部が痛かったかも…

お部屋のカーテンを全開にして夜景を眺める。

今日から帰国までの2週間、ここが私のお家です。よろしくお願いします。

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伊豆産蜜柑

2006年ごろからトランスを開始。鬱を患い長期的に引きこもるが、その間にも細々とトランスを継続し2015年に社会復帰。幾度かの転職を経てほぼ埋没状態でOLとして働き始める。 2019年にはタイでSRS(性転換手術/性別適合手術)を受け、現在は戸籍上の性別を女性にするために行動中。

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